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鼻づまり

鼻詰まりについて

「くしゃみ、鼻水、鼻詰まり」は鼻炎の3代症状で、どの症状も鼻粘膜に異物が侵入した時にあらわれます。ただし、くしゃみと鼻水は、鼻に侵入した異物をできるだけ早く外にだそうとしておこる反応ですが、鼻詰まりだけは少し異なり、鼻腔の粘膜の内部の毛細血管を拡張させて鼻粘膜を腫らすことで空間を狭くすることからおこります。それによって空気を通りにくくして、それ以上奥に異物が侵入しにくいようにしています。
侵入する異物は様々で、細菌、ウイルスといった感染症をおこす病原体のほかに、毒性のある化学物質や、アレルギー反応のもととなるホコリ、ペットの毛、ダニ、花粉などが主なものです。

鼻詰まりの主な症状ついて

鼻粘膜内部の血管が拡張すると、鼻粘膜が膨張し、空気の通り道を狭くします。そのために口呼吸が多くなると、口の中が渇くことや、冷たく湿度の低い空気が直接のどにあたることで、のどの腫れ、痛み、咳などの症状をあらわすことになります。また鼻粘膜の嗅覚を感じる部分が腫れることでにおいを感じにくくなるのも鼻詰まりの代表的な症状です。

鼻に関する病気の症状

鼻炎

鼻炎は鼻粘膜の炎症の総称です。ウイルスや細菌など病原体に感染したことによるもの、化学薬品などを吸い込んでしまったために化学反応で炎症がおこったもの、スギやヒノキなどの花粉、ハウスダストやペットの毛などのアレルゲンを吸い込んだことによる反応など原因は様々です。アレルギーによる鼻炎は「アレルギー性鼻炎」として分類されています。
慢性副鼻腔炎や慢性鼻炎に移行してしまうこともあり、急性の期間にきちんと手当をしておくことが大切です。

蓄膿症(副鼻腔炎)

顔の奥には、眉毛の付け根あたり、目元、鼻の付け根、小鼻の脇の左右にそれぞれ1対ずつ空洞があります。これを副鼻腔と言い、内部は粘膜におおわれ、それぞれは細いトンネルで鼻腔とつながっています。副鼻腔炎はこの副鼻腔に病原体が侵入し、急性の炎症をおこしたものです。この急性副鼻腔炎をきちんと治療せずに放置すると、炎症が慢性的に続くようになり、炎症による膿が副鼻腔にたまって、慢性副鼻腔炎となります。
薬物療法を中心に治療しますが、状態によっては手術となることもあります。

後鼻漏(こうびろう)

鼻の粘液が増えてうまく排出できなくなり、鼻の奥からのどに垂れてしまう状態です。普段からこの現象は少量ながら生理現象としておこっています。しかし、慢性副鼻腔炎を中心として、風邪やアレルギー性鼻炎などで過剰に鼻水がつくられた場合、後鼻漏の量も増えて、咳、のど詰まりなどの原因となることがあります。

嗅覚障害

鼻腔の天井にあたる部分は、においを感じるセンサーになっており、そのための嗅細胞があってにおいを電気信号に換えて、神経を通して脳に送っています。この部分が炎症をおこしてしまうことで嗅覚障害がおこります。主な原因は細菌感染やアレルギー、副鼻腔炎などで、抗炎症薬や抗菌薬などで嗅細胞の腫れを鎮めて、嗅覚をとりもどします。
あまり治療が遅れると嗅覚が戻りにくくなってしまうケースもあり、においを感じにくくなってしまったら、お早めに受診してください。

くしゃみ・鼻水、鼻詰まりの予防方法について

ウイルスや細菌が原因となる感染性のもの、花粉やハウスダストなどが原因となるアレルギー性のものなど、原因は様々ですが、共通する予防法もありますので、その代表的なものを個々で紹介します。

風邪予防

風邪は万病のもとと言うほど、風邪をこじらせてしまうことで、体力の低下から様々な疾患を合併してしまうことがあります。またくしゃみ、鼻水、鼻詰まりの原因として一番多いのも風邪によるものです。
そのため、風邪をひかないように、ご自身の生活習慣や環境をコントロールしていくことが大切です。
それでもひいてしまった場合は、体力を上げて風邪のウイルスと闘うための力をつけることが大切です。まずは十分な休養・睡眠、バランス良く栄養をとって治療に専念することも大切です。風邪をひいても無理をして仕事をしたり、勉強をしたりしてもかえって逆効果になることや、思わぬミスにつながることもあります。休むべき時は、しっかりと休むことに専念しましょう。それによって合併症を避けることができます。

乾燥を避け、湿度のコントロールをする

快適な室内の湿度は40~60%程度です。40%以下になると乾燥によって目や鼻粘膜、肌などが刺激されて、病原体に感染しやすい状況となります。
とくに冬塲の空気は乾燥しており、室内では適切に加湿器を使うなどで潤いを保つ必要があります。また夏場はエアコンをつけっぱなしにして、部屋が乾燥しすぎてしまう可能性もあります。乾燥しすぎは、感染の可能性を増大させてしまいますので、適切に湿度コントロールを行うようにしましょう。

アレルゲンを寄せつけない

アレルギー性鼻炎の予防方法は、徹底的にアレルゲンに近づかないことです。通年性のハウスダストなどの場合は、とにかく室内の掃除をしっかりと行うこと、部屋を乾燥させないことが大切です。アレルゲンがペットの毛やフケなどの場合は、残念ながらペットを飼うことは断念した方が良いです。花粉症が原因の場合は、ご自身がどの花粉のアレルギーなのかを、血液検査などで把握しておき、その飛来季節にはしっかりと対策することです。対策としては、外出時には帽子、メガネ、マスクなどで顔や頭を覆い、一番外に着るコートなどの素材はつるつるとして花粉が絡みにくく払い落としやすいものにしましょう。
外出から戻ったときには、一番外につけているものを、玄関に入る前に払うなどでついている花粉を落とします。コートや帽子などは玄関にフックをつけてそこに掛けておき、居間や寝室などに持ち込まないようにすることも大切です。
帰宅したら、手洗い、顔洗い、うがいなどをまずおこなって、アレルゲンを体内にとりこまないようにすることも大切です。
このような工夫で、アレルゲンと触れあわないようにすることで、アレルギーをある程度予防することが可能になります。

くしゃみ・鼻水、鼻詰まりの治療方法

まずは、風邪をひかない、アレルゲンには近寄らないことで予防をしっかりと行うこと、食事や運動、規則的な生活などで丈夫な身体をつくることが第一ですが、それでもくしゃみ・鼻水、鼻詰まりがおこってしまった場合の治療法は以下の通りです。

家のダニ・ほこりの除去

予防にもつながることですが、最低でも週に1~2回は部屋の隅々まで掃除をおこないましょう。部屋の温度は冬塲でも20~25℃、湿度は50%を保つことで風邪のウイルスが活動しにくい環境となります。布製のソファ、ラグやカーペットなどダニやホコリがからみやすい素材の家具は避けましょう。布団や枕などは防ダニ加工のものを使うようにしましょう。またペットマットなどもダニ防止の工夫をしましょう。

免疫療法

減感作療法(免疫療法)は、身体に少量のアレルゲンを継続的に投与し、だんだんアレルゲンに身体を慣らしていき、最終的にはアレルギーの完治を望むことができる治療法です。以前は皮下注射のみで、副作用もきつかったのですが、近年舌下錠が開発され、スギ花粉とダニ(ハウスダスト)アレルギーについては、毎日錠剤を舌の下において1分ほど我慢したのち飲み込むだけの舌下免疫療法という簡単な治療ができるようになりました。
ただし、最初のうちはアナフィラキシーなど、重篤な副作用の可能性もありますので、1回目は病院で医師の立ち会いのもとに服用し、その後しばらく様子をみまもる必要があります。
2回目からは自宅で服用が可能になります。
この治療法の対象者はスギ、ダニアレルギーの方のみで、心臓や肺に疾患のある方、重度のアレルギーで複数のアレルゲンをもっている方には適用できない可能性があります。詳しくはそれぞれの患者様によって異なりますので、医師とよくご相談ください。

薬物療法

アレルゲンに反応して様々な症状をおこすヒスタミンの作用を抑える抗ヒスタミン薬、血管が拡張することでおこる腫れを抑える抗アレルギー薬などを処方します。
ただし、これらの薬は眠気などの副作用や、長期の使用による薬効低下などが有り得ますので、状態にあわせて、薬を置き換えるなどで対応します。

ステロイド点鼻薬

即効的で効き目も強いという利点があります。ステロイドと聞くと、副作用を心配する方もいると思いますが、点鼻薬の場合、影響は鼻粘膜に限定されますので、長期使用も可能です。ただし、人によっては点鼻の刺激でアレルギー症状がおこってしまうこともあります。

手術

アレルギー性鼻炎の治療効果は人によって様々です。ある人にはよく効く薬剤も、別の人には効かない、副作用が激しいなどといった例もあり、薬物治療が難しくなるケースがあります。
そんな方には、鼻粘膜のアレルギーを起こす部分をレーザーによって焼灼してしまうなどの手術治療を検討することもあります。
その他にも手術治療には様々な方法があります。当院では、患者様にあわせた治療法について、それぞれ、メリット、デメリットも説明下上で提案し、手術自体は連携する医療機関を紹介してスムーズに受けていただけるようにしています。