EDとは?
ED(Erectile Dysfunction)は、勃起機能の低下を指す言葉で、日本語では「勃起不全」や「勃起障害」とも呼ばれます。この状態は、単に勃起がまったく起こらないことを指すわけではなく、十分な硬さを保てない、または勃起状態を維持できず途中で萎えてしまうケースもあります。つまり、性行為に必要な勃起が得られない状態です。日本では、EDに悩む男性は1,000万人以上いると推定されており、夫婦間のコミュニケーションに影響を及ぼし、不妊の一因となることも少なくありません。
EDの原因
EDの原因は、大きく分けて2つのタイプがあります。1つ目は、精神的な要因によるものです。性行為に対する不安や緊張、過去のトラウマが影響し、勃起機能に支障をきたすケースが該当します。2つ目は、病的な要因によるものです。糖尿病や高血圧、神経系の障害などが血流や神経伝達に影響を与え、EDを引き起こすことがあります。さらに、前立腺などの泌尿器系の疾患も関係している場合があります。また、精神的な要因と病的な要因が複合的に作用し、EDの症状が現れるケースも少なくありません。
精神的な要因によるもの
EDが精神的な要因によって引き起こされる場合、身体機能そのものには異常はありません。しかし、精神的なストレスや過去の失敗経験が大きなプレッシャーとなり、勃起を妨げることがあります。また、過去の性交渉でのネガティブな体験がトラウマとなり、それが影響を及ぼしているケースも少なくありません。このタイプのEDは、リラックスできる環境やポジティブな経験によって自然と改善することがあります。一方で、「克服しなければ」という焦りが逆効果となり、プレッシャーが増すことで症状が悪化してしまうこともあります。
病的な要因によるもの
ED(勃起不全)は、血流が深く関係しています。男性が興奮すると、血液が陰茎海綿体に流れ込み、これによって勃起が起こります。しかし、この血流の働きに何らかの問題が生じると、十分な勃起が得られず、EDの症状が現れるのです。糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病をお持ちの方は、血管に大きな負担がかかるために、EDが起こりやすくなります。
加齢・生活習慣によるもの
人間の体は加齢とともに変化し、体力の衰えを感じるようになります。勃起機能も例外ではなく、10代や20代の頃と比べると、30代後半から50代にかけて次第に変化が現れます。しかし、この自然な変化を「異常ではないか」と過度に気にすることで、精神的なプレッシャーが生じ、それがEDを悪化させる要因になることもあります。特に、肉体労働に従事している方は、若い頃に比べて疲労の回復が遅くなり、疲れが蓄積しやすくなります。この疲労感が勃起機能に影響を与え、それがさらなる不安を引き起こし、EDへと繋がることもあります。さらに、睡眠不足や過度の飲酒もEDの一因となるため、生活習慣の見直しが重要です。
身体的症状と精神的要因の複合によるもの
EDの原因には、身体的な症状と精神的な要因が複雑に絡み合っているケースもあります。例えば、一時的に勃起しづらい経験をしたことが強いプレッシャーとなり、それが心の負担となることで症状がさらに悪化することがあります。しかし、精神的なストレスを取り除くだけで必ずしもEDが改善するわけではありません。勃起機能そのものに問題がある場合も多いため、精神面と身体面の両方にアプローチする治療が必要となります。
自慰行為によるもの
間違った自慰行為がEDの原因となることもあります。例えば、強い力で陰茎に刺激を与え続ける自慰行為では、陰茎自体に物理的ダメージが及ぶリスクがあります。血管や神経などを傷つけてしまい、EDを引き起こす可能性もあります。
EDの症状
EDは、性行為において十分な勃起を得ることができない状態を指します。症状は人によって異なり、勃起がまったく起こらない場合や、勃起はするもののそれを維持できないこともあります。さらに、勃起の硬さが十分でない、または勃起しても長時間持続しないといった症状が見られることもあります。EDは加齢とともに症状が現れやすくなりますが、20代から40代でも、精神的なストレスや不安が原因でEDに悩む人が増えてきています。
EDの検査・診断
EDの診断のためには、まず問診を行い、勃起に関する症状や精神的なストレスの状況を丁寧にお聞きします。この問診を通じて、ストレスなどの精神的要因が原因となっているかを探り、それに基づいた治療方法を提案します。また、病気がEDの原因となっていることもあるため、画像検査や血液検査、勃起機能検査などを実施して、さらに詳しい診断を行います。
EDの治療
ED治療では、まず高血圧や糖尿病など、関与している可能性のある要因を改善することが重要です。その後、ED治療薬を使って自然な勃起をサポートします。なお、他のお薬を服用している場合、併用による影響を避けるため、事前に医師に報告してください。特に、ニトログリセリンなどの硝酸剤との併用は血圧が急激に下がるなどのリスクが伴います。治療薬を服用する際には、他のお薬との相互作用がないかを必ず確認することが求められます。また、EDの原因が精神的な要因である場合、カウンセリングを通じて改善できることもあります。EDの治療は、各患者様によって経過が大きく異なります。一般的な病気の場合、治療にかかる期間はある程度予測が可能ですが、ED治療に関しては、短期間で効果が見られる方もいれば、長期間の治療を続けても改善が難しい方もいます。また、改善の程度も個人差があり、完全に回復する方もいれば、勃起がわずかに改善する程度の方もいらっしゃいます。そのため、治療にどれくらいの時間がかかるかは一概にお伝えできません。治療の進捗が思うようにいかないと、それが更なるプレッシャーやストレスとなり、逆にEDを悪化させるリスクがあります。治療は、ご自身の状況に合わせて進めていくものですから、焦らず、他の患者様の結果に左右されずに、ご自身のペースで取り組むことが重要です。
EDは自然治癒する?
EDの自然回復には、個人差があります。例えば、特別な治療を意識せず、ストレスの少ない日常生活を送っているうちに、いつの間にかEDが改善しているケースもあります。EDは感染症や病原菌によって引き起こされるものではなく、環境や心身の状態に左右されることが多いため、忙しく充実した日々を送っていると、自然に改善される可能性もあります。しかし、精神的な要因以外でEDになっている場合、自然に改善される可能性は低いですので、EDでお悩みの方は一度当院までご相談ください。
EDのお悩みは抱え込まず
信頼できる医師に
相談しましょう
EDは男性にとって、非常にセンシティブでプライバシーに関わる問題です。そのため、多くの患者様が1人で悩み続けていることが多く、誰にも話せずに心の中で問題を抱え込む傾向にあります。このような状況は、EDを悪化させる原因となることもあります。そのため、まずは信頼できるクリニックに相談してみることが大切です。悩みを共有することで、気持ちが楽になり、他にも同じような悩みを持っている人がいることを知るだけで、心が軽くなることもあります。1人で抱え込むことは解決に繋がりませんので、まずはカウンセリングを受けてみましょう。そのだ内科糖尿病・甲状腺クリニック 渋谷駅道玄坂院は、EDのお悩みを丁寧にお聞きし、適切なサポートを提供することを心がけていますのでご安心ください。
EDの治療薬について
当院のED治療では、バイアグラ、シアリスを使用しています。どちらも勃起をサポートする効果があり、EDの改善に役立ちますが、それぞれに特徴があり、効果の現れ方にも違いがあります。
バイアグラ
バイアグラは、世界で初めて開発されたED治療薬で、多くの人に馴染み深いお薬です。アメリカの製薬会社であるファイザー社が製造し、日本では1999年から使用が認められています。服用後30~60分で効果が現れるため、「即効型」のED治療薬として知られています。
その効果の持続時間は約4時間で、最も効果的な時間帯は服用から1~2時間後です。食後に服用するとお薬の吸収が遅れるため、空腹時に服用しましょう。
名称 | 費用 |
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シルディナフィル50mg(バイアグラ) | 1,000円(1錠) |
シアリス
シアリスは、アメリカのイーライリリー社が製造したED治療薬で、2007年に日本での使用が認められました。服用後、30~60分以内に効果が現れ、最長で36時間もの効果を発揮し、ED治療薬の中で最も長い持続力を誇ります。バイアグラに比べて効果は穏やかで、副作用も比較的軽いとされています。食事の影響も受けにくいため、服用のタイミングを柔軟に調整できる点も利点です。
名称 | 費用 |
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タダラフィル20mg(シアリス) | 1,100円(1錠) |
お薬の副作用と注意事項
ED治療薬を使用する際に、副作用を気にされる方も多いと思います。副作用の内容や程度は個人差があります。一般的に見られるものとしては、顔のほてりや動悸、目の充血、軽い頭痛などです。これらの症状は、治療薬が血管を拡張する作用によるものです。
通常、時間が経つにつれてこれらの症状は軽減しますが、長時間続く場合は、医療機関を受診することが重要です。また、ED治療薬は、血管を広げる作用があるため、血圧が低下することもあります。そのため、降圧剤を服用している方や高血圧の治療を受けている方は、血圧が大幅に低下する可能性があるため、服用前に必ず医師に相談しましょう。