膵臓を守る!血糖値の上昇を抑えるポイント
年間10000件もの外来を行っている、現役糖尿病内科医の薗田です。
糖尿病のある方は、血糖値を下げてくれる唯一のホルモン「インスリン」が非常に大切であることはご存じかと思います。
そして、このインスリンは「膵臓」からのみ分泌されます。
膵臓は臓器の中でもとても重要な役割を果たしているため、我々糖尿病内科医からみても、膵臓が壊れるということはとても恐ろしいことです。
そこで今回は膵臓が弱くなりやすい人の共通点をご紹介していきます!
今回紹介する共通点を1つでも減らし、膵臓の機能を温存することで、糖尿病になる未来を阻止できる、もしくはHbA1cを下げていくことができるかもしれません。
ぜひ最後までご覧ください!
共通点①日本人である
いきなり無謀な共通点でしたね。(笑)
実は日本人は民族的にインスリンの分泌が弱いということが分かっています。
日本人の肥満の基準はBMI25~ですが、白人・黒人の多い国では肥満の基準はBMI30~のことが多いです。
簡単に説明すると、日本人はBMI25~糖尿病や高血圧などの生活習慣病になりやすいということになります。
この理由としても膵臓の機能が弱いことが挙げられます。
みなさんに少し考えていただきたいのですが、
糖尿病の患者さんは、みんながみんなだらしない生活をしているわけではありません。
痩せているのに糖尿病である方も多くいらっしゃいます。
インスリンをしっかり出すことが出来る方は、糖質をたくさん摂っても血糖値が上がらず、細胞に取り入れることができます!
しかし、膵臓が弱い場合、これが難しいのです。
↓こちらのInstagramも併せてみてみてください↓
この投稿をInstagramで見る
この投稿をInstagramで見る
共通点②友達が多い・寂しがりや
一見膵臓が関係なさそうに見えますが、実は友達が多い人や寂しがりやな人には共通点があります。
それは、意外とお酒が好きな人が多いということ。
友達が多いと飲みに誘われることも多いかと思います。もしくは、すごく寂しがりで1人の時間に晩酌などをしてしまうと膵臓にも負担がかかってしまいます。
お酒を飲んだ直後にお腹が痛くなる「急性膵炎」という病気があります。
急性だけでなく、「慢性膵炎」という病気もお酒によって起こることが分かっています。
実際に当院のエコー検査でもお酒を飲む方は、膵臓が委縮していたり、膵臓に石が出来ていたりします。
そういう方は痩せているのに糖尿病の人が多かったりします。
飲酒は極力減らしていくようにしましょう。
共通点③インスリン抵抗性がある
インスリン抵抗性という言葉をご存じでしょうか?
インスリン抵抗性とは「インスリンの効き具合」を意味します。
インスリンはしっかり分泌されているのにも関わらず、その作用が鈍くなっている状態を意味します。
これはブドウ糖負荷試験、もしくはC-ペプチドの測定によって調べることができます。
【ブドウ糖負荷試験とは?】
空腹時にブドウ糖75g溶かした水を飲んでいただき、30分、1時間、2時間後に血糖値を測定する検査のこと。
【C-ペプチド検査(採血・検尿)】
Cペプチドとは、膵臓からインスリンが分泌されるときにインスリンにくっついて出てくるたんぱく質のこと。
切り離されて、血中を通った後尿中に排泄されます。
Cペプチドの量を測ると、自分の膵臓からでたインスリンの量を推測することができます。
当院ではCペプチドの検査が可能です!
簡略化して説明すると、空腹時血糖値100に対して空腹時Cペプチドが1あればOK。
血糖値100に対してCペプチドが5ある場合、血糖値100下げるために通常の5倍のインスリンが必要になる!というイメージです。
検査を希望の方はぜひ一度、当院へご来院ください!
当院の受診予約はこちらから→ ここから予約する
共通点④発見が遅れてしまう人
みなさんは定期的に健康診断を受けておりますか?
膵臓の機能についても健康診断の項目で測るところもあります。
「アミラーゼ」という検査項目ですが、これが引っかかっている場合、膵臓に腫瘍や石がある可能性があります。
※腹部エコーで問題がなければ大丈夫な可能性が高いです。
忙しかったりすると健康診断に行くことが後回しになりがちですが、病気になってからでは遅いので1年に1回、少なくとも2年に1回は健康診断を受けるようにしましょう。
共通点⑤腸内環境が良くない
腸内環境と血糖値の関係については今までもたくさんお話をしてきました。
YouTubeでも好評で、きっと興味の深い分野かと思います。
↓YouTubeをみてみる↓
腸は体の中で大部分を占めている臓器であり、他の臓器とも連結があります。
先ほどのインスリン抵抗性と腸内環境にも深い関係があると考えられています。
食物繊維や発酵食品をうまく取り入れて、腸内環境をよくしていきましょう!
共通点⑥慢性的な下痢がある
膵臓の機能でとても重要な働きとして、「消化液を出している」という点があります。
膵臓から分泌される「リパーゼ」という消化液は、脂肪の代謝に働きます。
慢性膵炎や膵臓の障害がある方は下痢が起こりやすく、何年も治らないことがあります。
慢性的な下痢に悩んでいる方は、一度膵臓の検査を行ってみても良いかもしれません。
共通点⑦家族に膵臓の病気がある方
家族に膵臓の病気がある方は、少しリスクを気にしてみてください。
比較的、遺伝の要素が弱い臓器であると言われていますが、体質的な部分で少なからず遺伝の要素はぬぐえません。
みなさんにはぜひ、病気になる前に予防をしてほしいと常々思っております。
そして、それに対して一番大切なことは「自分の体質を知る」ということです。
その際にやはり家族の既往歴はとても参考になります。
ぜひ一度、両親やおじいちゃん、おばあちゃんはどんな病気があったか確認をしてみてください。
自分がどんな病気になりやすいか、どんなリスクがあるのかを知ってあらかじめ予防をしていく、ということを心がけていただけたらと思います。
まとめ
いかがでしたか。本日は膵臓が弱くなりやすい人の共通点をまとめてみました。
普段あまり意識を向けることの少ない部分かと思います。
今回の記事をきっかけに、気になる症状がある方は一度検査を受けていただければ幸いです。
今回の内容はこちらのYouTubeでも紹介していますので、併せてみてみてくださいね!
↓糖尿病・当院についての詳細ページはこちら↓
↓当院の受診予約はこちらから↓
↓お電話でのご予約希望の方はこちら↓