腸内環境が悪化…!控えるべき4つの食材とは?
年間10000件もの外来を行っている、現役糖尿病内科医の薗田です。
血糖値を下げるために必要な「臓器」、膵臓や肝臓が有名ですよね。
最新の研究で分かった、膵臓・肝臓と同じくらい血糖値を下げるために大切な臓器があることをご存じでしょうか??
それは、「腸」です。
ここを意識しないままだと、食事や運動を毎日頑張っても、血糖値が中々下がってこないかもしれません。
✅パンや麺類をいくら食べても満たされない
✅多く食べているわけでもないし、運動量も変わらないのに体重が増えた
✅便秘気味で、残便感やお腹の膨満感が気になる
上記のチェックリストに一つでも当てはまった方は、今回のブログを是非最後まで読んでみてくださいね!
血糖値を乱す?「リーキーガット症候群」とは?
腸壁の粘膜のダメージ
リーキーガット症候群という言葉をご存じでしょうか?
私たちの腸の中にある「腸内細菌」は、●善玉菌●日和見菌●悪玉菌で構成されています。
これらの働きとバランスが整っていると、全身の健康レベルもアップすると言われています。
しかし、善玉菌の働きが鈍くなり、悪玉菌が悪さをすると腸の粘膜に傷が付き、細胞と細胞の間の結合部分が緩んでしまいます。粘膜のバリアーがスカスカになってしまう状態を「リーキーガット症候群」といい、別名で「腸管漏出症候群(腸漏れ)」となります。
腸に炎症反応が起こることで代謝異常も起こりやすくなり、血液中の糖濃度増加に繋がります。
リーキーガット症候群を防ぐために、控えるべき食べ物を4つ紹介していきます。
控えたい食べ物①「グルテン」
グルテンとは、小麦に入っているたんぱく質のことです。
たんぱく質は身体に大切なものですが、このグルテンは少し悪質です。
小麦粉は、水を加えてこねると、粘り気と弾力が出てきますが、この正体がグルテンです。
これが腸に入ると、腸にペタペタくっついてしまい腸内環境を荒らしてしまうことが分かっています。
さらにこのグルテンは中毒性があると言われています。
色んな患者さんを診ていても、パンや小麦系をたくさん食べる方がいる一方、食べない人は全然食べないことが多いと感じます。
グルテンがどんどん腸にこびりついて炎症を起こしてしまうと、血糖値が上がってしまい、太りやすい体質、便秘や下痢などの不調が現れます。
控えたい食べ物②「乳製品」
控えたい食べ物2つ目は「乳製品」です。
乳製品に含まれる「カゼイン」というたんぱく質が腸内に悪影響を与える可能性があります。
カゼインは腸に届くと、炎症を起こしてしまい、これがリーキーガット症候群に繋がることが分かっています。
小麦を減らしていくのは難しい部分も多いですが、乳製品は比較的減らしやすいですね。
普段飲んでいるカフェラテは豆乳に変えてソイラテにしたり、少しの工夫で減らすことができますね!
ちなみに人によっては小麦も乳製品も大丈夫!という方もいらっしゃいます。
摂取することでお腹の調子が悪くなる方は控えるようにしましょう!
控えたい食べ物③「砂糖」
控えたい食べ物3つ目は、砂糖です。その中でも色の白いものや、ブドウ糖果糖液などは控えるようにしましょう。
これらに含まれる糖質を2日間摂りすぎただけで腸内細菌の悪玉菌が増加するという報告があります。
腸内の「短鎖脂肪酸」の減少により、善玉菌の減少、悪玉菌が増加し、腸内環境が乱れます。
さらに、悪玉菌が増加すると腸内に「カンジダ菌」が発生し、悪循環に繋がります。
砂糖やブドウ糖果糖液は直接的に血糖値を上げるだけでなく、腸内環境からも血糖値上昇に関与しているんです。極力減らしていくことで、血糖コントロールを改善していきましょう。
控えたい食べ物④「人口甘味料」
控えたい食べ物4つ目は人工甘味料です。
具体的には、サッカリン・アスパルテーム・アセスルファムK・スクラロース・ネオテームなどと呼ばれるものです。
人工甘味料は直接的に血糖値を上げないのですが、間接的に腸内環境や耐糖能を悪化させます。
ある論文では2週間大量の人工甘味料を摂取することで、他の状況が整っているにも関わらず、腸内環境と耐糖能が悪化したというデータが発表されました。
天然甘味料であるエリスリトールやラカンカなどは比較的問題がないといわれているので、うまく活用していきましょう。
腸内環境、人工甘味料について詳しく知りたい方はこちらの動画も見てみてくださいね!
血糖値コントロールに腸が大事な理由
リーキーガット症候群や腸内環境が乱れると、なぜ血糖値が上がりやすくなったり、体に不調が起こるのでしょうか?
大きな理由は3つあります。
①慢性的な腸の炎症が血糖値を上げる
糖尿病と歯周病の関係は有名ですよね。第6の合併症とも言われる歯周病ですが、これがなぜ血糖値に悪さをしてしまうのでしょうか。
口と腸は実は繋がっています。
そのため、口の中で炎症が起こってしまうと腸内にも影響を与え、血糖値が上がってしまいます。
腸の炎症を防ぐためには腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らしていくことが大切です。
②GLP-1ホルモンの分泌が少なくなる
野菜や魚など食事を摂ると、腸からGLP-1というホルモンが分泌されます。
GLP-1は糖尿病治療薬(マンジャロ、オゼンピック、リベルサスなど)にも利用されており、血糖値を下げる働きのあるホルモンです。
実は肥満があったり、血糖値のコントロールが悪い人は血中のGLP-1が低いということが分かっています。
③栄養素が漏れてしまう‥
みなさん経験あるかもしれませんが、パンって一度食べると、もっと欲しくなりますよね。
これは、グルテンがお腹にたまり、腸漏れが起こってしまうと、本来吸収したい栄養素もダダ漏れ状態になってしまいます。
身体に必要な栄養素が入ってこないということは、代謝の低下を招き、結果的に血糖値のコントロールも悪くなってしまいます。
まとめ
いかがでしょうか。腸内環境を整えることは結果的に血糖値コントロール改善につながります。
小麦、乳製品、砂糖、人工甘味料、どれも生活からすべて切り離すことは難しいかもしれません。
ほどほどに楽しみながら摂りすぎに注意していけるとよいかと思います。
リーキーガット症候群について、こちらのYouTubeで詳しく解説しているので、併せてみてみてください!
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