女性に好発!?甲状腺の病気の原因と治療方法
年間10000件もの外来を行っている、現役糖尿病内科医の薗田です。
当院では糖尿病以外でも甲状腺疾患の方の受診が多くみられます。
そこで今回は、甲状腺疾患についてまとめていきます。
・甲状腺とはそもそもなにか?
・原因とどんな人がなりやすいか
・治療法と対策方法
この3つについて記事にしたので、気になる症状がある人は是非最後までチェックしてみてくださいね!
甲状腺疾患ってそもそも何??
甲状腺はのどぼとけの下にある臓器です。
甲状腺から、甲状腺ホルモンという物質が分泌されます。
このホルモンは、私たちの身体の新陳代謝、妊娠の成立、人の成長など様々な面に関与します。
甲状腺ホルモンの乱れによって引き起こされる病気は大きく2つあります。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌してしまう疾患と、不足してしまう疾患です。
それぞれ分けて解説していきます!
甲状腺機能亢進症(過剰分泌)
甲状腺機能亢進症とは?
何らかの原因によって、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう疾患です。
症状は、動悸・息切れ・全身倦怠感・食欲亢進・体重減少・発汗・手指振戦などが現れます。
見た目の変化として、眼球突出・甲状腺の腫れが特徴です。
甲状腺機能が亢進する疾患の中で一番ポピュラーな疾患は「バセドウ病」で、身体症状に加えてイライラしやすいなどの精神的症状があらわれることもあります。
原因と好発
甲状腺機能亢進症の原因は主に3つあります。
一つ目は、自己免疫疾患によるもので、バセドウ病はこれにあたります。
二つ目は、甲状腺の炎症によって甲状腺ホルモンが分泌過剰になってしまうケース。
三つ目は、治療薬や無認可のダイエット薬などで甲状腺ホルモンをたくさん摂り過ぎてしまうケースなどが挙げられます。
甲状腺疾患は女性に多く、バセドウ病の場合男女比は1:3~5と言われています。
20~40歳代の女性に好発します。
治療方法と具体的な対策
治療方法
【薬物療法】
甲状腺ホルモンの分泌を抑制する薬を使用します。症状の軽い方、甲状腺があまり腫れていない方などの他、妊娠中の方にも適した療法です。
【アイソトープ治療】
アイソトープ治療は放射線ヨードのカプセルを服用する方法です。
薬物療法による効果が得られない方、短い期間でバセドウ病を治したい方にお勧めです。
【手術】
甲状腺の1部を残して切除してしまう方法で、8割程度は手術後に薬を服用しなくてすむ程度まで回復します。
甲状腺機能亢進症の治療は、疾患によって異なりますので、内分泌内科などの専門医に相談することをお勧めします。
対策
食生活では、3食バランスの良い食事を摂ることが基本になります。
アイソトープ治療の場合は食事でのヨウ素量を気にする必要がありますが、そうでない限り過剰に気にする必要はありません。
甲状腺機能低下症(作用不足)
甲状腺機能低下症とは?
何らかの原因で、甲状腺ホルモンの分泌が低下してしまう疾患です。
症状は、寒がり・皮膚の乾燥・発汗↓・圧痕を残さない浮腫み・体重増加・筋力低下・心拡大・徐脈・月経過多・便秘・傾眠・低体温・脱毛など多岐にわたります。
代謝が低下している状態であるため、あまり食べていないのに体重が増えてしまいます。
原因となる疾患の代表的なもので「橋本病」というものがあります。これは、甲状腺における慢性の炎症疾患です。
原因と好発
甲状腺機能低下症の原因は主に2つに分けられます。
一つ目は、甲状腺そのものに問題がある原発性のもので「橋本病」はこれにあたります。
二つ目は、甲状腺にホルモン分泌に関する指令を送っている下垂体に原因がある中枢性のものです。
橋本病も女性に多く、その男女比は1:10~30ほどと言われています。
40~50歳代の女性に好発します。
治療方法と具体的な対策
治療方法
【経過観察】
甲状腺機能に問題がなく、甲状腺の腫れも軽度の場合は経過観察となります。
【甲状腺ホルモンの投与】
甲状腺機能が低下してホルモンの分泌が低下している場合は、甲状腺ホルモンの補充を行います。
対策
食生活では3食バランスの良い食事が基本となります。
甲状腺機能低下症の場合、ヨウ素の少なすぎ、摂りすぎが原因になることがあるため、必要に応じて制限をします。
食事摂取基準では1日の目標量が150μg、上限量が3000μgとなるため、これ以上を長期間摂っている場合は控えるようにしましょう!
甲状腺疾患の検査と診断
血液検査によって、甲状腺ホルモン値、甲状腺刺激ホルモン値、抗甲状腺抗体の有無などを調べます。
また心電図検査や頸部超音波検査なども行い、甲状腺の血流の状態、腫れなども調べて総合的に診断することになります。
当院では検査から結果説明まで全て当日に行うことが可能です!
甲状腺について少しでも不安のある方は、下記のページからお問合せください。
また、自己免疫疾患は腸内環境に関与しているとも言われています。
下記の記事もご覧ください!
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まとめ
本日は甲状腺疾患についてまとめました。
症状が多岐にわたるため、うつ病など他の疾患に間違われてしまうことも多いです。
気になる症状がある場合は、内分泌内科への受診をお勧めします。
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