【脂質異常症】中性脂肪を下げる方法
年間10000件もの外来を行っている、現役糖尿病内科医の薗田です。
私は生活習慣病の患者さんを月間1000人ほど診察しているのですが、おおよそ10%〜20%が中性脂肪の高い患者さんです。
実は、中性脂肪は血糖値やコレステロールと比べると下げるのが楽な項目なんです。
本日は、今日から簡単にできる中性脂肪を下げる方法と脂質異常症の裏側にある見逃してはいけない病気というテーマで紹介していきます!
血液検査で脂質異常症と言われた方がある方は、是非最後までご覧ください!
中性脂肪が高い状態が続くとどうなるの?
中性脂肪やコレステロールが高い状態が続くと、上の画像のように血管の壁に脂肪の塊が溜まりやすくなります。
ある日突然、狭くなった部分に血栓が詰まると脳梗塞や心筋梗塞を引き起こしてしまいます。
中性脂肪やコレステロールを下げておいた方が良い一番の理由は、この動脈硬化を起こす可能性があるからです。
こちらの画像は、頚部の超音波画像になります。
左は動脈硬化がないキレイな血管、右は動脈硬化のある血管になります。
中性脂肪が高い状態を放置し続けた結果、動脈に脂肪が溜まってしまっています・・・
この検査を当院で当日行えまして、受付から検査、診察、会計まで30〜40分ほどの所要時間です!
LINEで簡単に予約できますので、気になる方は一度検査をしてみることをおすすめします。
中性脂肪はどうしたら下がるの?
中性脂肪は、糖質を摂り過ぎても、脂質を摂り過ぎても上がってしまいます。
簡単に言うと、余分なエネルギーが血液中に流れ中性脂肪となってしまうイメージです。
私たちの体の中には、主に4つの脂肪があると言われています。
人間の主な4つの脂肪
①皮下脂肪・・・つまめるお肉の脂肪
②内臓脂肪・・・ポッコリお腹、つまめないけどパンパンのお腹の脂肪
③異所性脂肪・・・肝臓や心臓の周りなど内臓の膜についている脂肪
④中性脂肪・・・血液中に浮いている中性脂肪
単純なお話なのですが、余計なカロリーを抑えると全体的に脂肪が減ります。
最近、「部分痩せ」というワードを聞くことがあると思いますが、部分痩せは難しいです。
余分な脂肪を減らす=体重を減らせれば、確実に上記の4つの脂肪を減らすことができるのです。
これから、食事・運動・隠れている病気の3つの観点から中性脂肪を下げる方法を紹介します!
中性脂肪を下げるためにやるべき3つのこと
中性脂肪を下げるためのオススメ食材6選
もずく
フコダインとアルギン酸の効果が中性脂肪を落としてくれる効果があると言われています。
お酢
お酢の酢酸には、脂質の代謝を上げて中性脂肪を下げる効果があると考えられています。
トマトジュース
日常的にトマトジュースを飲む人はHbA1cやコレステロールが下がると言う研究発表があり、おすすめの食品の1つです。
リコピン・食物繊維・カリウムが中性脂肪の低下に効果があると考えられています。
ブルーベリー
アントシアニンと言うポリフェノールの1種が中性脂肪を下げて動脈硬化を防ぐ働きがあります。
また、日常的にブルーベリーを食べる人は、糖尿病のリスクが33%低いと言われています。
ヨーグルト(脂質ゼロ)
ヨーグルトは賛否両論ありますが、ヨーグルトなどの発酵食品は腸の悪玉菌を減らして善玉菌を増やす働きがあります。
その結果、体内の炎症や肥満体質を改善して中性脂肪を下げる効果が得られます。
腸内環境と生活習慣病の関係についてもっと知りたい方は、
こちらのYouTubeの動画もチェックしてみてください!
納豆
私は納豆が1番の健康食品ではないかと思っています!
納豆に含まれている、植物性たんぱく質と植物性食物繊維が中性脂肪を便と一緒に排泄してくれる役割があります。
他にも、納豆菌の腸内環境を整える働きやナットウキナーゼという成分が血液をサラサラにして動脈硬化を防いでくれる働きがあります。
納豆のおすすめの食べ方
「酢納豆」
納豆+お酢(大さじ1) → 納豆の臭みが減り食べやすくなる
これだけやればOK!おすすめの運動法
運動はしないといけないと思っていても、続かなかったり、やる気が出なかったり・・・
私自身も運動はめんどくさいと思うタイプなのでよく分かります。
ここでは「全く運動をしない人向け」「普段運動をしている人向け」に分けておすすめの運動法を紹介します!
全く運動しない人向けの運動法
ズバリ、7秒スクワットです!
〈7秒スクワットのやり方〉
①足を開き両手を前に出す
②7秒間かけてゆっくり腰を落とす
③7秒間かけてゆっくり立ち上がる
これを1日10回だけ行いましょう!
筋肉の6〜7割は足についていると言われています。
筋肉は使えば使うほど、代謝が上がりますので、やればやるほど効率よく脂肪を燃焼してくれます。
運動が苦手な方も、まずは1日10回から騙されたと思ってやってみてください!!
他にも運動が苦手な人のために運動を紹介している動画があるので、気になる方はチェックしてみてください⭐︎
普段運動をしている人向けの運動法
普段から結構歩く量が多くて運動量が足りている方は、負荷をかけて運動することがおすすめです。
筋肉を大きくするためには重量を大きくしていかないといけません。
例えば、「毎日30分歩いてる」方や「スクワットを継続して行っている」方は同じ負荷をかけていても筋肉は成長しません。
おすすめは2Lのペットボトルを両手に持ってスクワットを行うなど負荷をかけることがおすすめです。
普段運動をしてる方におすすめの運動法を紹介していますので、こちらの動画もチェックしてみてください!
中性脂肪が上がりやすい病気との関係
橋本病
橋本病は、甲状腺機能が低下する病気です。
甲状腺はのどぼとけのすぐ下にある翼のような臓器で、ここから甲状腺ホルモンが分泌されています。
甲状腺ホルモンは、体内の代謝を調整してくれるホルモンで、
甲状腺ホルモンが多い→代謝が上がる⇧
甲状腺ホルモンが少ない→代謝が下がる⇩
つまり、中性脂肪の代謝が下がることによって血中の中性脂肪が上がりやすくなります。
脂質異常症がなかなかよくならない患者さんに、甲状腺の採血検査を行うと甲状腺機能が低下していることが分かることがあります。
このような方は、頑張ってもなかなか中性脂肪を下げることは難しいので、患者さんの努力を無駄にしないためにも見逃せない病気だと思っています。
慢性腎不全
慢性腎不全で蛋白尿が大量に出ている方は、中性脂肪が上がりやす特徴があります。
慢性腎不全で蛋白尿が出ると、血液中の水を維持するコレステロールが上がりやすいことが理由です。
脂肪肝
肝臓に余分の脂肪がつくことで、中性脂肪の代謝が悪くなります。
脂肪肝はお腹のエコー検査で分かるので、肝臓が気になる方は検査をすることをおすすめします。
当院での検査
当院では、糖尿病をはじめとする生活習慣病、甲状腺を専門とするクリニックです。
適応があれば全て保険診療で行えます✨結果も当日説明が可能です。
当院でできる検査一覧
■腹部超音波 ■血圧脈波 ■頚部超音波 ■心電図
■HbA1c ■血糖 ■甲状腺ホルモン ■尿検査 ■CT・レントゲン←2025年1月8日〜
LINEで簡単に予約できます!
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中性脂肪を下げるためにやめてほしいこと2選
アルコール
1つ目はアルコールです。
中性脂肪は空腹時で150mg /dlが正常値ですが、患者さんの中には、前日に深酒して外来を受診されると中性脂肪が1000mg/dlを超える患者さんがいらっしゃいます。
中性脂肪を下げるにはまずは禁酒をすることをおすすめします。
糖分が多いジュース
2つ目はジュースです。
夏場に、スポーツドリンクなどの多飲(ペットボトル症候群)が原因で中性脂肪が3000mg /dlほど上がる方がいらっしゃいます。
異常に中性脂肪が高い方は甘いジュースは控えるようにしましょう。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます!
いかがでしたか?中性脂肪が高い方は今日から是非やってみてください!
また、脂質異常症が見つかった時は放置せず、しっかり病院受診をし、適切な検査&治療を受けましょう。
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